いまどき新入社員の
「5つのメンタリティ」

  

最終更新日: 2023年10月13日


いまどき新人を読み解く「3つの鍵」

「ゆとり世代」ブームから5年、当時言われていた「ゆとり世代の特徴」は少しずつ変化してきたように思います。
このコラムは、新人研修を行うリ・カレントが、さまざまな企業の人材開発ご担当者様や研修現場で新入社員とお会いするなかで感じられる「いまどき新入社員」の特徴を整理することで、今後起こりうる彼らのキャリア開発・育成上の課題を紐解き、育成方法について検討するための材料とすることを目的としています。
今年度の新入社員はもちろん、若手社員育成の一助となれば幸いです。

まず、いまどき新入社員の特徴を理解するために、大きく影響していると思われる3つの要素をみていきましょう。
1つ目は親子関係、2つ目に学校教育、3つ目が社会経済です。

1.親子関係

2020年の大卒入社予定の新入社員は1998年(平成10年)生まれですが、彼らの親は新人類と言われた世代です。20~30代にバブルを謳歌、過度な受験戦争と管理教育の反動から、勉強以外の個性を大事にしようという傾向があると言われ、親との対等な関係や、勉強以外の分野で自由にさせることを良しとしてきました。

「ともだち親子」「モンスターペアレンツ」という言葉が生まれた世代でもあり、それまでの親子関係・家庭環境とは質的な異なりがみえてきた世代と言われています。

2.学校教育

ゆとり教育がスタートしたのが2002年ですから、今の新卒入社の新入社員は、義務教育のスタートである小学校の最初から、ゆとり教育の中で育ちました。ゆとり教育というと、「学習要項の削減=学力低下」と結びつけがちですが、私たちがお会いする企業の新入社員は、塾や個別指導などの課外学習によって受験戦争を勝ち抜いた人が多く、勉強についてはできる方が多い印象を受けます。

ゆとり教育の実態は、勉強以外の側面に垣間見ることができます。たとえば運動会の徒競走で見られた「手つなぎゴール」は象徴的なシーンですが、一方で「1番になれる」という場所が学校社会から無くなってしまったという側面もあります。

ゆとり教育は、それまでの詰め込み教育からの脱却と応用力の養成のため、個性をはぐくむことを目的とした施策でした。個性とは、集団生活のなかで挫折・成功といった他者との関わりや、自分の得意とすることを極めたり熱中する活動を通じて、徐々に「見つかっていく」ものだと思うのですが、ゆとり教育のなかでは個性が見つかりにくい環境となったばかりか、「いろいろな1番」が存在しない学校という閉鎖社会において、他者と違うことを行うことが「いじめ」へとつながるようになっていきました。

さらに、小学校の頃からSNSというツールが存在していたことによって、いじめが陰湿・悪質化しました。それによって、なるべく目立たぬように、安全に無難に過ごすことで自分の身を守る。本心は気心のしれた限られた友人にだけ明かす……そうした思考を持つようになっていきました。

3.社会経済

バブル崩壊後に生まれた彼らにとって、ものごとは「努力すれば必ず良くなる」という実感値をもともと持ち合わせていません。リストラを経験した家庭に育つ同級生も珍しくなく、働くことに夢を見るのは難しい境遇で育ちました。

そして、携帯電話やSNSの台頭により、彼らにとってのコミュニケーションとは「好きなときに、好きな人と、好きな形で“間接的”にとる」ものとなりました。

しかし、阪神大震災や9.11、東日本大震災といった生存欲求を揺さぶられる経験も多く体験しており、「本当は人とつながりたい」「役に立ちたい」「貢献したい」と思っているのに、そのやり方がわからない……という、私たちから見るとある種のジレンマを抱えている人が多いように感じます。
いまどき新入社員には、以上の3つの要素が大きく影響しているといえるでしょう。

いまどき新入社員の「5つのメンタリティ」

メンタリティとは、意識する心理状態のことです。行動や発言の根底にある、通常は表に出てこない、人それぞれの内部統制の状態を指す心理学用語です。
いまどき新入社員が、それぞれこれまで培ってきたメンタリティを理解することで、その強みを活かし、弱点を補強する形で育成につなげることができます。いまどき新入社員の特徴を5つのメンタリティとして、その言動と併せてご紹介をしていきましょう。

1.「で、いいや」メンタリティ

2.「正解を検索」メンタリティ

3.「クローズドマインド」メンタリティ

4.「貢献あこがれ」メンタリティ

5.「勝手にプレッシャー」メンタリティ

  • 自分が価値の低い人間だから相手が挨拶をしなかった
  • 自分が上手く話せないから相手が沈黙してしまう
  • 周りが自分の意見を聞いてくれないのは自分が受け入れられていないからだ
  • といったように、直接的には影響していないことにまで自分のせいだと感じてしまいます。ですから職場においては、何か大きな失敗をした、上司から叱責を受けた等、落ち込んでしまう具体的な事象が伴わないケースが出てきています。先輩・上司からすると、モチベーションが下がっていたりメンタル的な問題を抱えている若手が、なぜそうなってしまったのか理由がわかりにくく、打ち手が遅れてしまうということが起こります。

    もちろん、すべてのいまどき新入社員が万能感を持ち合わせているというわけではありません。しかし、メンタル的な問題を抱えやすい土壌を持っているのだとすれば、早期に手を打つべきということになります。

    以上、3つの環境的要因を背景にした5つのメンタリティをご紹介しました。
    実際には5つのメンタリティがそれぞれ影響し合っているので、きれいに割り切れるタイプ分けというものではありませんが、何か特徴的な言動が見られるとすれば、おそらくいずれかのメンタリティが影響しているのではないかと思います。

    次回はこれら5つのメンタリティを持つ新入社員に対し、どのような育成が必要となるのか、そのヒントを「10の成長力」に分けてご紹介していきます。

    早期戦力化するために身につけるべき「10の成長力」

    前半では、いまどき新入社員の特徴を「5つのメンタリティ」としてご紹介しました。本編では彼らを早期戦力化するために身につけるべき力を「10の成長力」としてご紹介します。
    この「10の成長力」は、「5つのメンタリティ」にそれぞれ2つずつ対応しています。また、研修場面だけではなく、職場でのOJTでも取り入れていただけるよう、育成ポイントも併せてご紹介します。

    さらに詳しく読みたい方はこちら
    資料ダウンロード

    CASE

    事例紹介

    事例紹介

    お取り引き150社以上、リピート率92%の研修プログラムを導入いただいております。

    事例紹介を見る

    SEMINAR

    セミナーのご案内

    セミナーのご案内

    人材組織開発ご担当者のみなさまへ、定期的に各種体験セミナーをご用意しております。

    セミナー開催情報へ

    CONTACT

    お問い合わせ

    お問い合わせ

    企業それぞれの体制に合わせて、様々なプログラムをご提案。お気軽にお申し付けください。

    メールでお問い合わせ 資料請求

    ページの先頭へ